Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
ふたつのにわ
二つの庭
宮本 百合子
Lisez 二つの庭 (ふたつのにわ) de 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 195 492 caractères · 389 écrans
素子は、
「なんだ! あんな温室ぐらい」
そういってわきを向いた。素子は、伸子が大袈裟にさわぎ立てているという風に不快を示している。それは素子の感情的なうけとりかたに思えた。
「わたしがどうというのじゃないのよ。保の部屋の鴨居の貼紙のこと、話したでしょう?」
伸子は、真面目にいった。
「わたしは、保が心配なのよ。あのひとには、何かしてやることがあるにちがいないのよ。だから、花も見せたいの」
「――ともかく、私はごめんだ……」
日曜日の約束してあった時間、ほとんどきっかりに、東京高校の黒い制服をきた保が訪ねて来た。多計代のおみやげの、虎屋の羊羮を出した。
「保さん、ここはじめてでしょう」
「ああ」
保は、目新しそうに庭や竹藪を見まわした。
「きょうは夜までゆっくりしてゆくんでしょう?」
「僕、夕飯までに帰る。――お母様にそういって来たから。……間に合うでしょう?」
「それゃ、間には合うけれど……ともかく行きましょう」
伸子が帯をしめ直しに玄関わきの六畳へ入ったあとから、素子がついて来た。懐手をして、
「結局、行くんじゃないか」
おはしょりを直している伸子にいった。
「行きましょうよ、一緒に。