Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

ふたつのみち

二つの途

豊島 与志雄

Lisez 二つの途 (ふたつのみち) de 豊島 与志雄 (とよしまよしお) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 51 102 caractères · 104 écrans

Aozora Bunko

熱は比較的低かった、三十八度四分にすぎなかった。然し脈搏が非常に不整で百二十五を上下した。呼吸も同じく不整だった。喉の奥で痰を絡んだ荒い呼吸になったり、小鼻を脹らましてすーっと引く弱い呼吸になったりした。

雨戸を開けると、外は明るくなっていた。風が止んで空が綺麗に晴れていた。清らかな空気が隙間から室内に流れ込んできた。啓介は眼を開いて、側に来るように木下に相図をした。

「母に逢いたい。」と彼は云った。

「呼んで来て上げる。少し待ち給え。」と木下は答えた。

八時頃本田医学士が婆やの迎いで見舞って来た。彼は容態表を見ながら云った。

「ほう、どうかしましたか。」

誰も答えなかった。

診察を済すと彼は、ヂガーレン注射を日に八回行うように看護婦に命じた。それから頓服薬の処方を書いた。

本田が辞し去る時、木下は彼を画室に呼び込んだ。

「容態は如何でしょうか。」と木下は急き込んで尋ねた。

「なに今のままなら危険というほどでもありますまい。脈搏がわりにしっかりしていますから。勿論その方の手当はしていますが。肺炎の方は以前と同じ状態です。これが少し拡がり出すと困難ですがね。