Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
ふたつのみち
二つの途
豊島 与志雄
Lisez 二つの途 (ふたつのみち) de 豊島 与志雄 (とよしまよしお) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 51 102 caractères · 104 écrans
私を軽蔑なさるがいいです、……岡部も私を軽蔑してる。魔睡から覚めてからは、何を云っても平気で澄し込んでいる。私の友情を、私の心を、高い所から見下すようにして落付き払っている。……軽蔑するならするがいいさ。私は軽蔑されるに適当だろう!……あなたも軽蔑なさるがいい。然し私は、そんなことに参ってしまいはしない。解決するまでは、あくまでもぶっつかっていってやる。その覚悟でいらっしゃい。私の心を踏み蹂っておいて、よくも平気で……。」
彼は終りまで云ってしまうことが出来なかった。言葉を途切らして、唇を震わした。両手で帯の前の方を握りしめ、肱を張って、肩をすぼめ、顔を前方につき出して、黒光りのする眼で、窓の外の板塀を睥んでいた。信子は云い知れぬ恐怖に囚えられた。彼女は窓縁から飛び下りて、其処に立ち悚んでしまった。
沈黙が続いた。木下はいつのまにか眼を沾ましていた。彼は俄に我に返ったように、つと手を伸して信子の手を執った。それを堅く握りしめながら云った。
「信子さん、許して下さい。私は、自分の魂が次第に醜くなってゆくのを知っています。浮び出ようとすればするほど、益々流の中に沈んでゆくような気がします。