Classiques japonais avec furigana
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ふたりのセルヴィヤじん
二人のセルヴィヤ人
辰野 隆
Lisez 二人のセルヴィヤ人 (ふたりのセルヴィヤじん) de 辰野 隆 (たつのゆたか) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 6 804 caractères · 14 écrans
そして私は内藤君を招じて、彼に引合せた。彼は色々内藤君に質問して、また文献が増たといって非常に悦んだ。私はエレディヤに関する彼の質問の了るのを待って、忘れられぬ印象を残して行ったFの消息を訊ねた。彼も精しい事は知らなかった。唯Fはベルグラードに帰る前に、彼を訪ねて、パリの生活の苦しかった事を物語って、既に三月の間、一片の肉も口に入れた事がないといったそうである。彼はFの貧苦を見るに忍びなかったので、援助を与えようとした。然しFは好意を謝したが、それを固辞して敢えて受けなかった。そして飄然としてパリを去った。
「Fは偉い男だ。あの炭のように黒い眼は、今は地中に睡っているが、将来一度は火になる運命を有している。必らず火になる。」
斯ういってイブロバッツ氏は黙って了った。
年が改まって、パリは前の年と同じように陰気になった。冬の空を仰ぎながらパリに来た私は、再び寒い風に送られて、パリを去った。そして帰朝の途に就いた。
昨年の夏、私は文芸週報「ヌーヴェル・リテレール」の新刊紹介の欄でミオドラック・イヴロバッツ著『ジョゼ・マリヤ・ド・エレディヤ、その生涯及び著作』