Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

しつらくえんさつじんじけん

二十世紀鉄仮面

小栗 虫太郎

Lisez 二十世紀鉄仮面 (しつらくえんさつじんじけん) de 小栗 虫太郎 (おぐりむしたろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 38 489 caractères · 77 écrans

Aozora Bunko

そして扉の前に立つと、異様な臭気が流れて来て、その腐敗した卵白のような異臭には、布片で鼻孔を覆わざるを得なかったのである。然し室内には、曽て何人も見なかったであろう所の、幻怪極まりない光景が展開されていた。

それを、陰惨などというよりも、千怪万状の魁奇もここまで来れば、恐怖とか厭悪とかいう、感情などは既に通り越していて、まず一枚の、密飾画然とした神話風景といった方が、適切であるかも知れない。

扉の右手には、朱丹・群青・黄土・緑青等の古代岩絵具の色調が、見事な色素定着法で現わされている、二人の冥界の獄卒が突っ立っていた。

右はアディソン病患者の青銅鬼で、緑青色の単衣を纏い、これはやや悲痛な相貌であるが、左手の赤衣を着た醜怪な結節癩は、その松果形をした瘡蓋が、殆んど鉱物化していて鋳金としか思われず、それが山嶽のように重なり合って眼も口も塞ぎ、おまけに、その雲を突かんばかりの巨人が、金剛力士さながらに怒張した四肢を張って、口を引ん歪め、半ば虚空を睥睨しているのだ。

そして、その二人に挟まって蹲んでいるのが、頭髪を中央から振り分けて、宝髻形に結んでいる、裸体の番匠幹枝だった。