Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
しつらくえんさつじんじけん
二十世紀鉄仮面
小栗 虫太郎
Lisez 二十世紀鉄仮面 (しつらくえんさつじんじけん) de 小栗 虫太郎 (おぐりむしたろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 38 489 caractères · 77 écrans
のみならず、着衣にも汚れがなく、襞も着付も整然としている。泥の附着も地面に接した部分にだけで、それも極めて自然であり、堂内には格闘の形跡は愚か、指紋は勿論その他の如何なる痕跡も残されていないのだ。
「どうだい、この屍体は、実に素晴らしい彫刻じゃないか」と熊城が、寧ろ挑戦的な調子で云った。
「何処から何処まで不可解ずくめなんて、ピッタリと君の趣味だぜ」
「なァに、驚く事はないさ。新しい流派の画と云うやつは、とかくこう云ったものなんだよ」法水はやり返して腰を伸ばしたが、「だが、妙だな。この像の右眼だけが、盲目なんだぜ。それに、像だけに埃が付いていないのは、どうしたと云うものだろう」と呟いた。
「それは、被害者の胎龍だけが、繁くこの堂に出入りしていたと云うからね。多分その辺に原因があるに違いないぜ。それから、今朝八時に検屍したのだが、死後十時間以上十二時間と云う鑑定だ。然し、傷口の中に羽蟻が二匹捲き込まれている所を見ると、絶命は八時から九時迄の間と云えるだろう。昨夜はその頃に、羽蟻の猛烈な襲来があったそうだよ」
「すると、兇器は?」
「それがまだ発見からんのだ。それから、この日和下駄は被害者が履いていたのだそうだ」