Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

にじゅうしんぞう

二重心臓

夢野 久作

Lisez 二重心臓 (にじゅうしんぞう) de 夢野 久作 (ゆめのきゅうさく) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 65 188 caractères · 129 écrans

Aozora Bunko

「イヤ。費用なんか一文も要りません」

「いいえ。いけません。他人の間は他人のようにしとくもんです」

「エッ……他人……」

「ええ。そう。今じゃ全くの赤の他人でしょう。ですからそのつもりでいらっしゃい。それからの御相談は、何もかも来月の十日過にお願いしますわ」

ハッと感激に打たれた江馬は深海魚のように眼を丸くして呉羽の顔を凝視した。口をアングリと開けて棒立ちになっていたが、やがてクシャクシャ頭をガックリとうなだれると、涙をポトポトと落しながら口籠もった。

「かしこ……まりました」

そうして、なおも感激に堪え切れないらしく、兵隊のようにクルリと身を飜すと、非常な勢いでホールを出て行った。百雷の落ちるような凄じい音を立てて階段を駈け降りて行った。

「……ホホ……確証を掴んだシャロック・ホルムズ……義憤に駈られたアルセーヌ・ルパン、ホホホホホハハハハハ……」

星だらけの空を真黒く区切った樫の木立の中に燈火を消した轟家は人が居るか居ないか、わからない位ヒッソリとしている。表門に貼付けた「不幸中に付家人一切面会謝絶」と書いた白紙が在るか無いかの風にヒラヒラと動いているきりである。