Classiques japonais avec furigana
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ごかいのまど
五階の窓
森下 雨村
Lisez 五階の窓 (ごかいのまど) de 森下 雨村 (もりしたうそん) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 12 990 caractères · 26 écrans
前夜が遅かったからといってゆっくり寝てもいられず、眠い目をこすっていつもよりも早く署へ行くと、署長と司法主任はろくろく自分の報告など聞こうとはせず、冬木刑事の昨夜の活動から捜査方針を長々と話し聞かせて、これからすぐ被害者の遺族を訪問して、何か材料を掴んでくるようにと命ぜられた。
できることなら、彼は前夜の捜査の続きをやらせてもらいたかった。骨は折れても、何か手がかりが掴めそうな気もしたし、また長い自分の経験から不良工員のほうに目をつけるのが採るべき道であるようにも思われたのである。それを捜査方針が変わったとはいえ尻切れとんぼにしておいて、遺族のほうの調査に回されたということは彼にとっては決していい気持ちはしなかった。でも、命令とあればぜひもない。彼は言われたとおりに、元園町の西村の家を訪ねたのである。すると、妻君は気が顛倒して昨夜から床に就いたきりで面会はできないというし、孝子という娘に会ったが何も事情は分からず、詰めかけていた親戚のだれかれに訊いても、格別手がかりになるような話も出ず、結局知り得たものは昨夜、現場で技師長や社員から聞いたことと大同小異であった。