Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
にんぎょ
人魚
火野 葦平
Lisez 人魚 (にんぎょ) de 火野 葦平 (ひのあしへい) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 7 457 caractères · 15 écrans
ほくそ笑んでむしゃむしゃと生身の魚をかじる人魚の口は、耳まで裂けているようにみえました。人魚はこうして貪婪にひかる眼つきをしてしきりに魚をとらえて食べましたが、ついに、巨大な昆布の林のなかにはいっていって、そこへ脱糞をこころみました。尻尾にちかいところから黄いろくながいものが縄のようにいくすじもおしだされてきて、ちぎれるとながれにつれて底の方へしずんでゆきます。そうしながら人魚は口では魚を噛んでいるのです。
もはやわたしは見るにたえなくなって、々に海を出、重いこころをいだいて、山の池にかえりました。そうして、その日からわたしはえたいのしれぬ懐疑にとざされ、頭痛がしてきておきあがれなくなってしまったのです。
あしへいさん、
わたしの経験したことというのは以上のようなことですが、あなたはどう思われるでしょうか。わたくしはうつくしさというものに対する疑念が生じたのです。うつくしさを思い、うつくしさにあこがれる心は日ごろからわたしたちにあるわけなのですが、しからばそんなわたしたちを満足させるようなうつくしいものが実際にあるだろうか。人魚をはじめ見たときには、わたしはそのうつくしさに身ぶるいがし、日ごろの念願が達しられたよろこびにふるえたのです。