Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

ja-reading.com

Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

かたきうちきょうだいがさ

仇討姉妹笠

国枝 史郎

Lisez 仇討姉妹笠 (かたきうちきょうだいがさ) de 国枝 史郎 (くにえだしろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 80 178 caractères · 159 écrans

Aozora Bunko

今夜裏門にて――と隠語に書いたのは、望みの品物を奪い取ったのだから、もうこの屋敷にいる必要はない。でお葉に裏門まで来て貰って、一緒にこの屋敷から逃げ出そうと思い、さてこそそのように書いたのであった。

「ご家老様」とお八重は云って、今までじっと俯向いて、膝頭を見詰めていた眼を上げて、頼母の顔を正視した。

「隠語を記しましたあの紙片を、ご家老様には何者より?」

「あれか」

すると松浦頼母は複雑の顔へ一瞬間、冷笑らしいものを漂わせたが、

「其方の恋人山岸主税が、わしの手にまで渡してくれたのよ!」

「え――ッ、まア! いえいえそんな!」

物に動じなかったお八重の顔が、見る見る蒼褪め眼が血走った。

お八重の受難

そういうお八重を松浦頼母は、嘲笑いの眼で見詰めたが、

「去年の秋御殿で催された、観楓の酒宴以来其方と主税とが、恋仲になったということは、わしにおいては存じて居った。が、お八重其方も存じおるはずだが、其方を恋して其方という者を、主税より先に我物にしようと、懇望したものは誰だったかのう?」

頼母はお八重を嘗めるように見たが、

「わしであったはずじゃ、頼母であったはずじゃ」