Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
かたきうちきょうだいがさ
仇討姉妹笠
国枝 史郎
Lisez 仇討姉妹笠 (かたきうちきょうだいがさ) de 国枝 史郎 (くにえだしろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 80 178 caractères · 159 écrans
「独楽を渡して配下になるか、それとも拒んで殺されるか? 即答することも困難であろう。しばらく二人だけで考えるがよい」
こう云って頼母が配下を引き連れ、主屋の方へ立ち去ったので、二人だけとなってしまったのである。
一基の燭台には今にも消えそうに、蝋燭の火がともってい、その光の穂を巡りながら、小さい蛾が二つ飛んでいる。
顔に乱れた髪をかけ、その顔色を蒼白にし、衣紋を崩した主税の体は、その燭台の背後にあった。そうして彼の空洞のような眼は、飛んでいる蛾に向けられていた。
(もともと偶然手に入った独楽だ。頼母にくれてやってもよい。莫大な金高であろうとも、淀屋の財産など欲しいとは思わぬ。……しかしこのように武士たる自分を、恥かしめ、虐み、威嚇した頼母の、配下などには断じてなれない。と云って独楽を渡した上、頼母の配下にならなければ、自分ばかりかお八重の命をさえ、頼母は取ると云っている。残忍酷薄の彼のことだ、取ると云ったら取るだろう。……命を取られてたまるものか?)
無心に蛾の方へ眼を向けたまま、こう主税は思っていた。
一つの蛾が朱筆の穂のような火先に、素早く嘗められて畳の上へ落ちた。