Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

いまどしんじゅう

今戸心中

広津 柳浪

Lisez 今戸心中 (いまどしんじゅう) de 広津 柳浪 (ひろつりゅうろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 36 688 caractères · 74 écrans

Aozora Bunko

「平田さんが今おいでなさッたから、お梅どんをじきに知らせて上げたんだよ」

「そう。ありがとう。気休めだともッたら、西宮さんは実があるよ」

「早く奥へおいでな」と、小万は懐紙で鉄瓶の下を煽いでいる。

吉里は燭台煌々たる上の間を眩しそうに覗いて、「何だか悲アしくなるよ」と、覚えず腮を襟に入れる。

「顔出しだけでもいいんですから、ちょいとあちらへおいでなすッて下さい」と、例のお熊は障子の外から声をかけた。

「静かにしておくれ。お客さまがいらッしゃるんだよ」

「御免なさいまし」と、お熊は障子を開けて、「小万さんの花魁、どうも済みませんね」と、にッこり会釈し、今奥へ行こうとする吉里の背後から、「花魁、困るじゃアありませんか」

「今行くッたらいいじゃアないか。ああうるさいよ」と、吉里は振り向きもしないで上の間へ入ッた。

客は二人である。西宮は床の間を背に胡座を組み、平田は窓を背にして膝も崩さずにいた。

西宮は三十二三歳で、むッくりと肉づいた愛嬌のある丸顔。結城紬の小袖に同じ羽織という打扮で、どことなく商人らしくも見える。

平田は私立学校の教員か、専門校の学生か、また小官員とも見れば見らるる風俗で、黒七子の三つ紋の羽織に、藍縞の節糸織と白ッぽい上田縞の二枚小袖、帯は白縮緬をぐいと緊り加減に巻いている。