Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
さくしゃのすむせかい
作者の住む世界
豊島 与志雄
Lisez 作者の住む世界 (さくしゃのすむせかい) de 豊島 与志雄 (とよしまよしお) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 1 219 caractères · 3 écrans
或る雑誌記者がこんなことを云った――「新進作家に少し書いて貰おうと思って、さて誰に頼んだらよいかと考えてみると、結局誰にしても同じだという気がして、考えるのも厄介になってくる。そう思うと、実に退屈でたまらない。」
この退屈だということは、多くの人の実感であるらしい。
なぜ退屈だかを、もっとよく考えてみると、大抵の作家がみな同じような世界に住んでるからだと思う。
作者の住む世界というのは、作品に現われた材料が所在する、その外部の世界を指すのではない。材料はどんなものでもよい。その材料に対する、作者の感じ方見方腹の据え方など、そんなものをひっくるめた世界、即ち、作者の人としての知情意の内部世界を指すのである。
同じ材料を取扱っても、出来上った作品が作者によって異って、全く別種の感銘を読者に与えるのは、作者の住む世界が異るからである。
そして、新しい文芸は、新らしい世界に住む作者から生れてくる。
明治末年から大正五六年までにかけて、日本の文壇が少しも退屈ではなく、いつも溌剌としていたのは、自然主義的世界に住む作家連の間に、それとは別な世界に住む作家達が頭をもたげてきたからであった。