Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
ぞくしゅう
俗臭
織田 作之助
Lisez 俗臭 (ぞくしゅう) de 織田 作之助 (おださくのすけ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 34 630 caractères · 70 écrans
看護婦時代、醜聞があった。恋愛という程のものではない。相手は学校出たての若い副手達である。教養ある大学出の青年だから、尊敬の心もあった。いい寄られて抵抗しなかった。いつものことだった。好奇心に富んでいたからである。青年達は、宮川町などの遊廓で遊ぶ金がかなり節約出来た筈だ。それどころか、それよりも得るところがあった位である。一人二人に止まらなかったから、もし美貌だったら、病院内で多少の刃傷沙汰が起ったかも知れぬ。騒がれたという点で、その頃のことは甘い想出となって未だに彼女の胸に残っている。このことが、政江の医学的なものへの憧れの一つの原因といってもよい。
先年、四人の娘を産んで、五人目に跡取りの男子を出産したのを機会に、避妊のため、卵巣切開手術をうけるべく、政江はわざ/\京都医大に入院した。が、知り合いの医員は一人も居らず、たった一人、頭の禿に見覚えのある守衛がいた。彼は五円紙幣を無雑作に恵まれて驚き、「あんたはん。えらい出世おしやしたどすな」といった。それで、辛うじて期待が報いられた。あれから二十年経っているのだという感傷よりも、その歳月がもとの助産婦見習を百万長者の奥さんにしてしまったという想いの方が、政江には強かったのだ。