Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

ja-reading.com

Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

ひかりのないあさ

光のない朝

宮本 百合子

Lisez 光のない朝 (ひかりのないあさ) de 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 5 418 caractères · 11 écrans

Aozora Bunko

津田との縁談は、彼が帰国してからよこした一本の手紙で、調停の見込みなく破れてしまった。同時に、彼女は、普通には希望と幸福そのものであるべき結婚ということが、自分にとっては、どんなに呪われた、恐ろしいものであるかを、性根の髄から思い知らされた。

おまきは、狂気のようになって津田を罵倒した許りか、娘の上に、神も怒らすほどの証を立てた。

「それあ、勝手な真似をなさるのもようござんすが、あれの片輪を、どうぞ後からかれこれ云わないで下さい。――娘の体のことを、母親ほど知っている者はありもしないのに……」

人々は、その言葉を、信じてよいのか、疑ってよいのか知らなかった。ほんとに「母」ならば、娘の爪の褶(ひだ)さえ知っている筈なのだから。

一旦、艶かになったおもんの髪と頬とは、また次第に色褪(あ)せて行った。彼女の存在は、再び、周囲の人々にとって、邪魔にならない手伝いの一人というに過ぎないものとなった。

おもんは、それから六年の間、老夫人が死ぬ迄、彼女の対手を勤めた。

父の家に戻って暫らくすると、今いるS製菓会社に女工として通い、月々の食費を、僅な日給の中から母に支払った。