Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
やつがたけのまじん
八ヶ嶽の魔神
国枝 史郎
Lisez 八ヶ嶽の魔神 (やつがたけのまじん) de 国枝 史郎 (くにえだしろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 160 664 caractères · 323 écrans
た。
「誰だ!」と島太夫は声を掛ける。「何用あって参ったぞ! 身分を明かし名をなのれ!」
すると不思議な侵入者は葬式に鳴らす太鼓のような深い不気味な濁った声で、
「命令するのだ! 灯火をつけろ!」ツト一足進んだが、「……年頃闇には慣れておれど久々で見るこの部屋がこう暗くては面白くない。さあすぐに灯火をつけろ!」
「そういうお声は? ……あなた様は?」
「俺はこの城の持ち主だ! 俺は橘宗介だ!」
「お殿様でござりましたか」
「何より先に灯をつけろ。――そちはたしかこの城で物見の役をつとめていた島太夫と云った老人であろう。幽かに声に覚えがある。もしその島太夫であるならば忠義一図の男の筈だ。そちの主人が命ずるのだ、早く灯火を点けるがよい」
島太夫は恭しく一揖したが、そろそろと龕まで歩いて行き燭台に仄かに灯をともした。部屋の中が朦朧と明るんで来る。
宗介は部屋の中を見廻したが、
「……これが昔の俺の城か。あの華美だった部屋だというのか。熊の毛皮を打ち掛けた黒檀の牀几はどこへ行った。夜昼絶えず燃えていた銀の香炉もないではないか。……や、ここに十字架がある! 誰がここへ置いたのだ? 何んのためにマリヤを飾ったのだ! 俺は昔から天帝に対して何んの尊敬も払っていなかった。