Classiques japonais avec furigana
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むいかづき
六日月
岩本 素白
Lisez 六日月 (むいかづき) de 岩本 素白 (いわもとそはく) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 2 584 caractères · 5 écrans
大雅堂跡の碑のある辺は、木立の蔭で一層暗い。此処まで来て、今までつい気がつかなかった六日の月が、眉をあげた空の辺りに細く冴えた光を懸けて居るのを美しいと思った。あたりは宵闇でもなく、月夜でもないほの明るさである。一寸曲って更にまっすぐの道が高台寺下の静かな通りであるが、その道は帰りのことにして、その一ツ下の通りを南に向いて歩いて行く。上の高台寺そのものをも入れて、すべて此の辺りは下河原町になって居るのである。煙草屋、荒物屋など暗い寂しい店に交って、仕出し屋、料理屋なども有る様子で、入口は狭いが普通の宿屋とは違った、奥深そうな洒落た構えの旅館がぽつ/\見える。歩いて行くうちに、何処かで稽古でもして居るらしい三味線の音が聞える。何を弾いて居るとも分らず、時々快い音が静かな通りに流れて来る。何の三味線であろう、この辺りの空気からすると、無論長唄でも清元でも常盤津でもいけない。といって、ただ一と口に地唄などといっては、当りまえ過ぎて平凡になろう。あの陰気な中に艶のある、薗八でも弾いてもらいたいところである。こんなことを考えて、まだ宵の口なのを人通りの少い町を歩きながら、薗八の「鳥辺山」