Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

きかくとさんぞくととのさま

其角と山賊と殿様

山本 周五郎

Lisez 其角と山賊と殿様 (きかくとさんぞくととのさま) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 4 948 caractères · 10 écrans

Aozora Bunko

その頃榎本其角は、俳友小川破笠と共に江戸茅場町の裏店に棲んでいた。

芭蕉の門に入ったばかりで、貧窮のどん底時代だった、外へ出る着物も夜の衾もひと組しかなく、それを破笠と共同で遣っている有様だった。

同門の親友、服部嵐雪は、その時分井上相模守に仕えていたから、其角の貧乏を心配して、絶えず金や衣服を調達してやるのだが、性来酒好きな上に恬淡な其角は、たちまち何もかも酒に代えてしまうのだった。

或時、其角の貧乏を聞かれた井上相模守侯が、

「榎本にも邸へ出入をするよう、言ってみたらどうか」

と嵐雪に相談した。勿論、嵐雪は非常に悦んで、すぐに茅場町へとんで行った。ところが其角は一向に嬉しくなさそうで、

「まあお断りをしよう」

と言う。

「何故だ、こんな貧乏が続いては、ろくな勉強もできぬではないか」

「ばかなことを――、天地自然が金で購えるか、春秋四季変化の妙諦を極めるのに、貧乏で悪い理由はあるまい、それに」

と其角は苦笑しながら、

「私は大名の為に俳諧をよむのは御免だ」

「――――」

嵐雪もそう言われては致方がないので、侯の邸へ帰ってその通り復命した。井上侯はもとより蕉門の俳諧に通じ、芸道に理解のある人であっただけ、其角の言葉がかちんと癇に障ったらしい、