Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
くらのすけるす
内蔵允留守
山本 周五郎
Lisez 内蔵允留守 (くらのすけるす) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 12 082 caractères · 24 écrans
「御覧のとおり此の辺はまるで人家もなし、さようでございますな」老人は眼を細めて四辺を見やったが、「……もし貴方さまさえ御辛抱なさるお積りなら、汚のうございますが私の家にお泊りなさいませぬか、孫と二人暮しでお世話もなにも出来ませぬが、それで宜しかったらお宿を致しましょう」
「忝ない、そう願えれば此の上もない仕合せだ、決して迷惑は掛けぬから頼む」
こうして思い懸けぬところで宿は定まった。
老人の家はさっき教えられた通り、其処から荒地つづきに、二反ほど北へ入った栗林の中にあった。内蔵允の屋敷に近いから、帰宅すれば直ぐに分るだろうし、また老人と留守番の下僕とが往来しているようすなので、旅からの消息も聞くことができるであろう。これなら留守宅に待つのと同じことだ。虎之助はほっとしながら老人の家へ向ったが、栗林のあいだの道を、農家の前庭へ出たとたんに、右手の洗場から立って来た一人の娘と顔を見合せ、両方でおやと眼を瞠った。さっき道で内蔵允の家を教えて呉れた娘である、虎之助は直ぐに老人が孫と言ったのはこの娘だということに気づいた、それで、静かに笑いながら会釈した。
「思わぬ御縁で、今日からこちらへ御世話になることになりました、岡田虎之助という者です」