Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

とううん

凍雲

矢田 津世子

Lisez 凍雲 (とううん) de 矢田 津世子 (やだつせこ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 14 121 caractères · 29 écrans

Aozora Bunko

秋田市から北の方へ、ものの一時間も汽車に揺られてゆくと、一日市という小駅がある。ここから軌道がわかれていて、五城目という町にいたる。小さな町である。封建時代の殻の中に、まだ居眠りをつづけているような、どこやら安閑とした町である。現に、一日市で通っている駅名も、元々、この町の名で呼び慣らされていたものだったけれども、いつのまにか奪取れてしまっていた。居眠りをしていたせいである。居眠りをしながら、この町は、老い萎えてゆくようにみえる。

町の人たちの中には、軌道を利用するひとが尠い。結構足で間にあうところへ、わざわざ、金をかけることの莫迦らしさを知っていたから、大ていは、軌道に沿うた往還を歩いて行きかえりした。

軌道の通じない頃は、この往還を幌馬車が通っていたし、雪が積りはじめると、これが箱橇に代えられた。町の人たちにとっては、そのころのほうが、暮しよかった。文明というものは、金のかかるものだと、こぼしあった。

この往還の途中に、七曲りというところがある。年を経た松の巨木が目じるしになっていて、この辺は、徒歩のひとには誂えむきの休み所と見えるけれども、町の人たちは滅多に立ち寄るということがない。