Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
おとめのきとアブ・サルガ
処女の木とアブ・サルガ
野上 豊一郎
Lisez 処女の木とアブ・サルガ (おとめのきとアブ・サルガ) de 野上 豊一郎 (のがみとよいちろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 10 098 caractères · 20 écrans
それでも人民は彼の気ちがいじみた性格に恐れをなしてあらわに反抗することを敢てしなかった。やがてキリストが出て「神の国は近づけり」と説くのにふさわしい情勢をヘロデは生涯を費して作り上げていたようなものだった。
ヘロデにとって気の毒なことは、彼は生涯の初めから終まで家庭的に苦悩しなければならなかった。性格の残忍刻薄が主因だったから自業自得といえばそれまでだが、もっと根づよい因果的な、謂わばネメシスの咀いに追及されているような形だった。一族を殺し味方を屠った数は数えきれないほどだった。最も顕著な事件は第一の夫人を殺した事と二人の息子を殺した事だった。第一夫人はマリアムネと呼んでユダヤの王族アスモネウス家の王女(ヘロデ自身はエドミ族)で、美人としてはエジプトのクレオパトラには及ばなかったとしても、しかしクレオパトラの前に出てもひどく見劣りのすることのないほどの容色の持主だった。彼女にはアリストブルスと呼ぶ弟があり、美貌の少年で、殿堂の祭司で、何よりも血統が人民の信頼を集め、嫉妬ぶかいヘロデにとっては目の上の瘤だったが、人民の思わくを顧慮して容易に手をつけることをしなかった。