Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
ぜんきてんまやけ
前記天満焼
国枝 史郎
Lisez 前記天満焼 (ぜんきてんまやけ) de 国枝 史郎 (くにえだしろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 48 568 caractères · 98 écrans
「どうして付けたね……え、眼星を! そうだよそうだよ、どうして今夜と?」
「申し上げたじゃアございませんか。ね、乞食の身分だと」
「それは知ってる、知ってるがね。……」
「下情に通じて居りますので」
「それも知ってる、知ってるがね。……」
「推察したのでございますよ。今夜あたりが天井だと」
松吉は黙って腕を組んだ。
22
組んだその腕をパラリと解くと、
「素性を明かしておくんなせえ」
丁寧な語調で問いかけた。だが、態度には隙がない。
「さればさ」と云ったが沈痛であった。
「上州産れの乞食だと、こうもう私が云ったところで、合点をしては下さるまいねえ。……永らく私の住んでいた、その土地の名でも申しましょう。……遠い他国なのでございますよ」
「と云って唐でもありますめえ」
「いやその唐だよ、上海だ!」
「上海?」
「左様」
「そうでしたかねえ」
「この国へ帰ったのは一年前」
いよいよ沈痛の顔をしたが、
「追っかけて来たのでございますよ」
「何をね?」と松吉は突っ込んだ。
「大事なものを!」とただ一句だ。
「で、眼星は?」
「まず大体。……」
「付いた? 結構! 方角は?」
「あの方角で! 霊岸島!」