Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

けんきょう

剣侠

国枝 史郎

Lisez 剣侠 (けんきょう) de 国枝 史郎 (くにえだしろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 156 961 caractères · 310 écrans

Aozora Bunko

二本の白刃を持ち上げるのである。と、威厳ある声がした。

「勝負待て! 刀を引け! 仲裁役は秋山要介!」

声と同時に刀の鞘が、二本の刀身を左右に分けた。

二間の距離を保ちながら、尚、残心、刀を構え、睨み合っている林蔵と猪之松、その間に鞘ぐるみ抜いた太刀を提げて、ノビノビと立ったのは秋山要介で、まず穏かに林蔵へ云った。

「刀を鞘へ納めるがよい」

それから猪之松の方へ顔を向け、

「以前一二度お見かけいたした。高萩村の猪之松殿か、拙者秋山要介でござる。刀を納め下されい」

しばらくの間寂然としていた。

やがて刀の鞘に収まる、鍔鳴りの音が二つ聞こえた。

この頃源女は大薮を出て、唐黍畑の向こうを歩いていた。

(行かなければ不可ない、さあ行こう)

こう思いながら歩いていた。

何者か向こうで呼んでいる。そんなように彼女には思われるのであった。

畦を越し桑畑を越した。そうして丘を向こうへ越した。もう背後を振り返って見ても、街道も大薮も見えないだろう。

大渓谷、大傾斜、大森林、五百頭千頭の馬、無数の馬飼、宏大な屋敷――そういうものの存在している所へ、行かなければならない行かなければならない! ……そう思って彼女は歩いて行く。