Classiques japonais avec furigana
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げきだん「わらうようま」
劇団「笑う妖魔」
山本 周五郎
Lisez 劇団「笑う妖魔」 (げきだん「わらうようま」) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 8 705 caractères · 18 écrans
こうして取調べが進行している側で、五郎は必死に考えを纏めようと苦心していた。
――身命を賭しても秘密を渡す、と兄さんは云った。あの言葉に嘘はない筈だ。兄さんは秘密を握ったに相違ない。そして僕に渡そうとしたんだ。……待てよ、彼等は兄さんを監視していた。独りでは食堂へも出さない。だから兄さんは舞台から証拠の品を僕に投渡そうとした。――その寸前に射殺された。拳銃の実弾は兄さんが填めたものだ。兄さんが、……自分で自分の命を断つようなへまをやるだろうか、そんな間違いを※(感嘆符疑問符、1-8-78)
そこまで考えたとき、五郎は兄が死ぬ間際に云った言葉をもう一度思い返してみた。
――兄さんは胸を押えて「ここに」と云った。しかし裸にして調べても何も出てこなかったではないか。そうすると「ここに」と云ったのは別に意味があるのかしら?
「あッ!」
愕然と、五郎は椅子からとび上った。
「そうか、そうか、兄さん※(感嘆符二つ、1-8-75) 分ったよ、初めて分った。そこに気づかなかった僕は馬鹿だ。そうなのか兄さん※(感嘆符二つ、1-8-75)」
半ば泣くように叫んだ五郎は、いきなり司法主任の前へ突っ立って、