Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

ja-reading.com

Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

かご

加護

宮本 百合子

Lisez 加護 (かご) de 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 16 147 caractères · 33 écrans

Aozora Bunko

然し、誰一人、親しく自分を鼓舞してくれる者もなく、確かりなさい、と、肩を叩いてくれる者も持たないお恵さんにとって、これは、一方ならない、励しの言葉であった。

とにかく、お幾の元気が、細そりと、蒼白い、お恵さんの肉体を貫いて、一種の電気でも通じるように見える。次第に、彼女自身も亢奮し、覇気を持ち、踏み出した道なら退くまいという勇気が、湧いて来るように感じるのである。

素直なお恵さんは、この刺戟一つに対しても、お幾の友情を徳とした。

彼女は、心から、

「ありがとう。私も確かりしますわ。本当に、自分の心ほど、自分で判るようで判らないものはないのですものね」

と云った。

「私も、せいぜい元気になりますよ」

二人は、笑顔を見合わせた。

「そうですとも。私だって、出来ることなら、この体の半分も、あなたに足してあげたい位に思っているのですもの」

自分の言葉が、快よく受け入れられた歓びで、お幾の血色よい顔は、一層つやつやと輝くように見えた。

彼女は、気軽な滑稽を云いながら、淑子や女中を集めて、御持参の鮨の折を開いた。

それから間もない或る朝のことであった。

お恵さんは、いつものように、手軽な朝飯を終ると、身仕度をし、自分で夜来閉された門を開いて家を出た。