Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

ja-reading.com

Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

じゅうにがつようか

十二月八日

太宰 治

Lisez 十二月八日 (じゅうにがつようか) de Dazai Osamu (太宰 治) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 7 590 caractères · 16 écrans

Aozora Bunko

紀元二千七百年といえば、すぐに思い出す事がある。なんだか馬鹿らしくて、おかしい事だけれど、先日、主人のお友だちの伊馬さんが久し振りで遊びにいらっしゃって、その時、主人と客間で話合っているのを隣部屋で聞いて噴き出した。

「どうも、この、紀元二千七百年のお祭りの時には、二千七百年と言うか、あるいは二千七百年と言うか、心配なんだね、非常に気になるんだね。僕は煩悶しているのだ。君は、気にならんかね。」

と伊馬さん。

「ううむ。」と主人は真面目に考えて、「そう言われると、非常に気になる。」

「そうだろう、」と伊馬さんも、ひどく真面目だ。「どうもね、ななひゃくねん、というらしいんだ。なんだか、そんな気がするんだ。だけど僕の希望をいうなら、しちひゃくねん、と言ってもらいたいんだね。どうも、ななひゃく、では困る。いやらしいじゃないか。電話の番号じゃあるまいし、ちゃんと正しい読みかたをしてもらいたいものだ。何とかして、その時は、しちひゃく、と言ってもらいたいのだがねえ。」

と伊馬さんは本当に、心配そうな口調である。

「しかしまた、」主人は、ひどくもったい振って意見を述べる。