Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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オチフルイかいじゅうろうてがらばなし

十二神貝十郎手柄話

国枝 史郎

Lisez 十二神貝十郎手柄話 (オチフルイかいじゅうろうてがらばなし) de 国枝 史郎 (くにえだしろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 127 035 caractères · 254 écrans

Aozora Bunko

「そこに一つの湾がある」

「大きな湾でございましょうな?」

「日本の九州より大きいそうじゃ。湾の名は加利福尼亜という」

「加利福尼亜湾でございますかな」

「そこに一つの島があるそうじゃ。チブロンという島じゃそうな。宝はそこに隠されてあるのじゃ。――みんな地理書に記されてある」

「どのような宝でございましょうな?」

「砂金、宝石、異国の小判」

「無人の島でございますかな?」

「兇暴残忍の土人どもが無数に住んでいるそうじゃよ」

「頭領」

と十平太は立ち上がった。「土人どもを平らげて宝を奪おうではございませぬか」

「航海は往復二年かかるぞよ」

「二年?」と十平太は眼を見張った。

「恐ろしいか?」と紋太夫は笑う。

「何んの!」と十平太は哄笑した。

「瀬戸内海の大海賊、小豆島紋太夫の手下には、臆病者はおりませぬ筈!」

「おおいかにもその通りじゃ、それではいよいよ加利福尼亜へ行くか!」

「申すまでもございませぬ」

「準備に半年はかかろうぞ」

「心得ましてございます」

「鉄砲、大砲も用意せねばならぬ」

「それも心得ておりまする」

「四方に散々に散っている友船を悉く集めねばならぬ」

「すぐに早船を遣わしましょう」