Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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オチフルイかいじゅうろうてがらばなし

十二神貝十郎手柄話

国枝 史郎

Lisez 十二神貝十郎手柄話 (オチフルイかいじゅうろうてがらばなし) de 国枝 史郎 (くにえだしろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 127 035 caractères · 254 écrans

Aozora Bunko

雨宿りをしていた侍である。

「主人はいるかな、ちょっと逢いたいが」

「へい、どなた様でいらっしゃいますか?」

店にいた小僧が恐る恐る訊いた。

「十二神貝十郎と云うものだ」

主人の嘉助が奥から飛んで来た。

「これはこれは十二神の殿様で。……」

「ああ主人か、訊きたいことがある。この頃『ままごと』がよく出るようだが」

「へい」と嘉助は小鬢を掻いた。

「諸方様からご注文でございますので」

「どんな方々から注文があるか、ひとつそれを聞かしてくれ」

「かしこまりましてございます」

それから主人は名を上げた。松本伊豆守から五個、赤井越前守から三個、松平正允から二個、伊井中将から一個、浜田侍従から一個。……等々であった。

「なるほど」

と貝十郎は苦笑いをしたが、

「いずれも立派な方々からだな。……ところで松本伊豆守様からが、一番注文が多いようだが、この頃にご注文があったかな?」

「へい、一月の十五日までに、是非とも一つ納めるようにと、ご用人の三浦作右衛門様から。……」

「一月の十五日、ふうんそうか」

尚二つ三つ訊ねてから、貝十郎は山大を出た。

二

(どうにも今は変な時世だ。