Classiques japonais avec furigana
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オチフルイかいじゅうろうてがらばなし
十二神貝十郎手柄話
国枝 史郎
Lisez 十二神貝十郎手柄話 (オチフルイかいじゅうろうてがらばなし) de 国枝 史郎 (くにえだしろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 127 035 caractères · 254 écrans
しまいには露骨に勧めるようになった。
「若い時期は早く過ぎて行くものです。享楽しようではありませんか。妾はいつでもお供をします。あなたには早く決心なされて、陰気な、無気力な、生き甲斐のない、ご両親の家などお出なさいまし。外にはもっと華々しい、活気に充ちた生活があります。そうして男というものは、何か事業をしないことには、男としての真の楽しみを、感じないものでございます。外にはいくらでも事業があります」
などというような意味のことを、率直に云ってそそのかしたりした。
五
京一郎は性格として、活動的の人間であって、箱入り息子式に生活させられることを、ひそかに以前から嫌っていて、そのため両親へは内密に、町道場へ通って行き、竹刀の振り方など習うほどであった。
で、愛するお蝶の口から、そんなように勧められると、一も二もなく家を出て外へ行きたかった。でお蝶へ云うのであった。
「出ましょう、出ますとも、家を出ましょう! お蝶様ご一緒に行ってくださるか」
「行く段ではございません……でも」
と、すると、どうしたことか、ここで、いつもお蝶は言葉を濁し、暗示めいたことを云うのであった。