Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
ちよこ
千世子
宮本 百合子
Lisez 千世子 (ちよこ) de 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) en japonais avec furigana. JLPT N3. Touchez un mot pour le sens.
N3 · intermédiaire · kanji et kana modernes · 83 104 caractères · 164 écrans
信夫はまだほんとうに若い世間知らずなお坊ちゃんで、二親に死に別れて千世子の叔父にあたる家に世話になって居る。二十一寸前の、そういう年頃に有勝な癖で、やたらに恋を恋して居る人だと云うのを千世子は知っていた。
まだ臆病な世間馴れない若い男が一番手近だと云う事と、一寸並の女と変って居ると云う事ばかりで自分に対して恋の真似事の様な事をしかけて居ると云う事を千世子は読みすぎるほどよんで、「恋を恋して居るうちがいいんだ!」位に思いながらもふるえる様な瞳や下らない事に顔を赤らめたりするのを見ると、いかにもととのわないみっともない物の様に思えた。
真面目な常識に富んだ源さんは千世子の従兄でありながら変なほど千世子を大切に思ってて、
「体を大切にしろ、勉強しろ」
千世子がききあきてしかめっつらをするほど云うのもこの人であった。
源さんは自分の導いて行かなくっちゃあならない様なこの女に、心の奥の奥にひそんで居る感情は出来るだけはかくして居ながらも、いつの間にか千世子には知られて居た。工学士のHは苦労した事がその世なれた人をそらさない口つきでわかるほどの人であった。
おととし学校を出てすぐ外国に行って病気で帰って来て、今は保養がてら家でしなければならない事だけをして居る、三十きっちり位の神経質な体の弱い、白い立派な額と大変に