Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
ちくまがわのスケッチ
千曲川のスケッチ
島崎 藤村
Lisez 千曲川のスケッチ (ちくまがわのスケッチ) de 島崎 藤村 (しまざきとうそん) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 81 668 caractères · 164 écrans
汽笛が寂しく響いて聞えた。風は遽然私の身にしみて来た。
「待ちろ待ちろ」
母の声がする。男の子はその側で、姉らしい女と共に籾を打った。彼方の岡の道を帰る人も暗く見えた。「おつかれでごわす」と挨拶そこそこに急いで通過ぎるものもあった。そのうちに、三人の女の働くさまもよくは見えない位に成って、冠った手拭のみが仄かに白く残った。振り上ぐる槌までも暗かった。
「藁をまつめろ」
という声もその中で聞える。
私がこの岡を離れようとした頃、三人の女はまだ残って働いていた。私が振返って彼等を見た時は、暗い影の動くとしか見えなかった。全く暮れ果てた。
巡礼の歌
乳呑児を負った女の巡礼が私の家の門に立った。
寒空には初冬らしい雲が望まれた。一目見たばかりで、皆な氷だということが思われる。氷線の群合とも言いたい。白い、冷い、透明な尖端は針のようだ。この雲が出る頃に成ると、一日は一日より寒気を増して行く。
こうして山の上に来ている自分等のことを思うと、灰色の脚絆に古足袋を穿いた、旅窶れのした女の乞食姿にも、心を引かれる。巡礼は鈴を振って、哀れげな声で御詠歌を歌った。