Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

ちくまがわのスケッチ

千曲川のスケッチ

島崎 藤村

Lisez 千曲川のスケッチ (ちくまがわのスケッチ) de 島崎 藤村 (しまざきとうそん) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 81 668 caractères · 164 écrans

Aozora Bunko

馬はあまえて、朝飯欲しそうな顔付をした。

「廻って来い」

と亭主が言うと、馬は主人の言葉を聞分けて、ぐるりと一度小屋の内を廻った。

「もう一度――」

と復た亭主が馬の鼻面を押しやった。それからこの可憐な動物は桶の中へ首を差込むことを許された。馬がゴトゴトさせて食う傍で、亭主は一斗五升の白水が一吸に尽されることを話して、私達を驚かした。

山上の雲は漸く白く成って行った。谷底も明けて行った。光の触れるところは灰色に望まれた。

細君が膳の仕度の出来たことを知らせに来た。めずらしいところで、私達は朝の食事をした。亭主は食べ了った茶碗に湯を注ぎ、それを汁椀にあけて飲み尽し、やがて箱膳の中から布巾を取出して、茶碗も箸も自分で拭いて納めた。

もう一度、私達は亭主と一緒に小屋を出て、朝日に光る山々を見上げ、見下した。亭主は望遠鏡まで取出して来て、あそこに見えるのが渋の沢、その手前の窪みが霊泉寺の沢、と一々指して見せた。八つが岳、蓼科の裾、御牧が原、すべて一望の中にあった。

層を成して深い谷底の方へ落ちた断崖の間には、桔梗、山辺、横取、多計志、八重原などの村々を数えることが出来る。