Classiques japonais avec furigana
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なんちしんじゅう
南地心中
泉 鏡花
Lisez 南地心中 (なんちしんじゅう) de 泉 鏡花 (いずみきょうか) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 39 205 caractères · 79 écrans
……女子は女子同士やよって、美津さんの味方して、私が聞きたい。貴方はそうはなかろうけど、男は浮気な……」
と見る、月がぱっちりと輝いた。多一は俯向いて見なかった。
「……ものやさかい、美津さんの後の手券に、貴方の心を取っておく。ああまで堪えやした辛抱は、皆女子へ、」
「ええ、」
「あの、美津さんへの心中だてかえ。」
多一はハッと畳に手を……その素袍、指貫に、刀なき腰は寂しいものであった。
「御寮人様、御推量を願いとうござります。誓文それに相違ござりません。」
お美津の両手も、鶴の白羽の狩衣に、玉を揃えて、前髪摺れに支いていた、簪の橘薫りもする。
「おお……嬉し……」
と胸を張って、思わず、つい云う。声の綾に、我を忘れて、道成寺の一条の真紅の糸が、鮮麗に織込まれた。
それは禁制の錦であった。
ふと心付いた状して、動悸を鎮めるげに、襟なる檜扇の端をしっかと圧えて、ト後を見て、襖にすらり靡いた、その下げ髪の丈を視めた。
お珊の姿は陰々とした。
二十三
夫婦が二人、その若い顔を上げた時、お珊は何気なき面色した。
「ほんになあ、くどいようなが多一さん、よう辛抱しやはった。