Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
なんろ
南路
宮本 百合子
Lisez 南路 (なんろ) de 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 31 813 caractères · 63 écrans
どこかの停車場を出ようとする激しい動揺で目を覚し、バースの裡に起き上って窓懸けを引くと、外は、目を驚ろかす南方の風景に換っている。
最初の乗換場であるニュー・オルレアンスには、多分十時頃着く予定である。
珍しい外景に、自分は知らず知らず興奮した。そして、急いで着物を着け、良人を誘って、食堂に行った。First Call が済んだばかりで、未だ内部はすいている。静に朝日をうける窓から、ここでならゆっくり外を眺められるのである。
窓枠に区切られて、連続した小画のように飛び去る自然の、先ず植物の異様なのが注意を牽く。
カロライナ辺では、黄葉する闊葉樹が多いらしく、一目見て、秋の田野、空気と空とを連想させた。
然し、今、眼に写る植物といえば、第一、皆黒ずんだ暗緑に鬱蒼としている。葉のこまかな、幹の古さびた名の知れない大木が、雲をつくような柳の、気味悪く暖いうねりに混って生えている。
海藻のような寄生木(やどりぎ)が、灰緑色にもさもさと親木を覆いつくして、枯れ枝が、苦しげにその間から腕を延して外に出ている。
自分は、気をつけてそれ等を眺め、植物が、ここでは、何という動物的な、凄じい感を与えるか、驚かずにはいられなかった。