Classiques japonais avec furigana
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きょうふのきせつ
叢書名著の復興1 恐怖の季節
三好 十郎
Lisez 叢書名著の復興1 恐怖の季節 (きょうふのきせつ) de 三好 十郎 (みよしじゅうろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 257 544 caractères · 508 écrans
まだ考えが青いや。
加多 何をっ!
甚伍 ま、ま、しまいまで聞いてからでも遅くねえ。目先の見えねえにも程がある。江戸じゃこの騒動を口実にして、水戸藩の持っている幕府での勢力と、それから、勤王派とを、両方とも一気に叩きつぶして邪魔を除こうとしているのが、わからねえのか? 落し穴だ。小石川のお上を動かし、佐藤、朝比奈などという人を幕府がけしかけたのも、お前さん方は知らねえのか? 毒で毒を制しようというのだ。江戸が衰えたとはいいながら、まだそれだけの役者はいますぜ。水戸藩あたりの田舎千両役者たあ、打つ狂言のケタが違う。そんなことを少しも考えねえで、水戸へ駆け出して行って、あとはどうなるんだ? 田沼の手が、やれば手易くできるのを、一気にこの近まわりで天狗党を蹴散らそうとしねえのも、ジワジワとお前さん方を水戸へ押し詰めて、そこで根こそぎぶっつぶそうというコンタンからだ。
加多 ……甚伍、拙者が抜こうとしたのは悪かった。
甚伍 よし。それで加多さん、お前さん知っているかね、幕府では湊の方へ軍艦を廻しましたぜ。もっとも出発のときの理由は、水戸城に籠城したお為派鎮圧のためということになっている。