Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

ふるいど

古井戸

豊島 与志雄

Lisez 古井戸 (ふるいど) de 豊島 与志雄 (とよしまよしお) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 21 433 caractères · 43 écrans

Aozora Bunko

周囲はみな小石がつまって固く、中だけ新らしい黒土で柔かだった。それを膝頭の上まで掘り下げた時、松木は穴から飛び出して、暫く首をひねって考えた。

「これは……何ですよ、屹度、古井戸の跡ですよ。」

「え、古井戸。」

彼も立上って穴を覗いた。

「古井戸を埋めた跡です。」

云われてみれば、全くそれに違いないらしかった。

「じゃあ、いくら掘っても駄目ですね。」

「駄目です。」

うっかり云って顔を見合った。瞬間に、松木はひどく兇悪な表情をしたが、次にはアハハと高笑いをした。

「古井戸の上に金魚池を掘ろうとしたところで、とても……。」

駄目だ、とはさすがに云いかねたものか、ぷつりと口を噤んで、それから急に腹立ったらしく、掘り起した黒土を元通り直しにかかった。

土がすっかり元に直るまで、松木は一休みもしなかった。朝日の光を受けてる、その脂ぎった体力のよさを、彼は皮肉な眼で眺めていたが、何故だか、自分自身も一寸気持が納まりかねた。

掘り返されたためか、土の不足も見せないで、地面は平らになった。

「ついでに一寸手伝って頂きましょうか。」

松木はいきなりそう云い被せて、彼に手伝わせながら、円い自然石を庭の程よいところに据えた。