Classiques japonais avec furigana
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こくをみる
古句を観る
柴田 宵曲
Lisez 古句を観る (こくをみる) de 柴田 宵曲 (しばたしょうきょく) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 166 028 caractères · 333 écrans
茜うらふきかへす春に成にけり 耕月
「田家春」という前書がある。正に蕩々たる天下の春である。
謡曲作者が「四条五条の橋の上、/\老若男女貴賤都鄙、いろめく花衣、袖をつらねてゆくすゑの」といった洛中の春ではない。「世界を輪切りに立て切った、山門の扉を左右に颯と開いた中を――赤いものが通る、青いものが通る。女が通る。子供が通る。嵯峨の春を傾けて、京の人は繽紛絡繹と嵐山に行く」と漱石氏が書いた洛外の春でもない。そこにはただ村娘の茜裏を吹きかえす春風があるだけである。この一色の齎す太平の気は、洛中洛外の春に優るとも劣るものではない。
満々たる野趣は「茜うら」の一語に集っている。一茶流の俗語を駆使するばかりが、野趣の表現に適うわけではない。大まかを極めたこの種の叙法も、なお這般の野趣を盛って余あるのである。あるいは天下の春は彼にあらずしてこれにあるのかも知れぬ。
正月を直す二月の文字ふとし 端当
二月になってからついうっかりして正月と書いた、その正の字を二と改めたために、二月という字が太くなったという風にも解せられる。あるいは已に書いてあった正月の文字を、二月という字に改めた、という風にも解せられる。