Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
こぼく
古木
豊島 与志雄
Lisez 古木 (こぼく) de 豊島 与志雄 (とよしまよしお) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 11 648 caractères · 24 écrans
それと殆んど入れ代りに、千代子の娘の美智子が、そっと縁側からはいって来ました。
髪をおかっぱにした、眼の大きな、この子供は、お祖父さまに馴れ親しんでいました。お祖父さまが病気になって寝ついてからも、よく病室にやって来ました。病室にはたいてい、なにかおいしい物がありました。
いま、お祖父さまは、一人きりでした。静かに寝ていました。その禿げた頭だけが、枕の上に、つやつやと光っていました。それを、美智子はふしぎそうにじっと眺めました。
やがて、美智子は寄ってゆきました。小さな手を差し出して、禿げ頭にそっと触れてみました。つるりと滑る感じでした。びっくりして手を引っこめましたが、頭はじっとしていました。美智子はまた手を差し出して、禿げた頭に、こんどは拡げた掌でさわりました。滑っこい冷たい感じがしました。
その時、頭がぐらりところがって、夜具の襟から、お祖父さまの顔がぬっと出てきました。とたんに、美智子は、驚いたとも恐れたともつかず、息をつめました。次に、立ち上って逃げてゆきました。
巳之助は茫然と、美智子の姿を見送りました。その泣き出しそうな顔付と、次で、小さな足袋の汚れた裏とが巳之助の眼にちらと残りました。