Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

ふるむじな

古狢

泉 鏡花

Lisez 古狢 (ふるむじな) de 泉 鏡花 (いずみきょうか) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 19 891 caractères · 40 écrans

Aozora Bunko

通り雨は一通り霽ったが、土は濡れて、冷くて、翡翠の影が駒下駄を辷ってまた映る……片褄端折に、乾物屋の軒を伝って、紅端緒の草履ではないが、ついと楽屋口へ行く状に、肩細く市場へ入ったのが、やがて、片手にビイルの壜、と見ると片手に持った硝子盃が、光りを分けて、二つになって並んだのは、お町さんも、一口つき合ってくれる気か。

「しゃッ、しゃッ。」

思わず糶声を立てて、おじさんは、手を揚げながら、片手で外套の膝を叩いた。

「お手柄、お手柄。」

土間はたちまち春になり、花の蕾の一輪を、朧夜にすかすごとく、お町の唇をビイルで撓めて、飲むほどに、蓮池のむかしを訪う身には本懐とも言えるであろう。根を掘上げたばかりと思う、見事な蓮根が柵の内外、浄土の逆茂木。勿体ないが、五百羅漢の御腕を、組違えて揃う中に、大笊に慈姑が二杯。泥のままのと、一笊は、藍浅く、颯と青に洗上げたのを、ころころと三つばかり、お町が取って、七輪へ載せ、尉を払い、火箸であしらい、媚かしい端折のまま、懐紙で煽ぐのに、手巾で軽く髪の艶を庇ったので、ほんのりと珊瑚の透くのが、三杯目の硝子盃に透いて、あの、唇だか、その珊瑚だか、花だか、蕾だか、蕩然となる。