Classiques japonais avec furigana
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うもんとりものちょう
右門捕物帖(四)
佐々木 味津三
Lisez 右門捕物帖(四) (うもんとりものちょう) de 佐々木 味津三 (ささきみつぞう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 167 105 caractères · 337 écrans
頭巾にもない。紋にもない。ちりめんも普通。染めも普通。しかし、その目がたもとの裏へいったとき、ちらりと見えたものがある。
何のまじないか、着物のたもとにも、羽織のたもとにも、その裏のすみに、赤い絹糸が二本縫いこんであるのです。
同時でした。
「なんでえ。べらぼうめ。おいらがすこうし念を入れて調べると、たちまちこういうふうに知恵箱が開いてくるんだからなあ。さあ、眼がついたんだ、駕籠の用意しろ」
「かたじけねえ。行く先ゃどっちですかい」
「一石橋の呉服後藤だよ。この絹糸をようみろい。江戸にかずかず名代はあるが、呉服後藤に碁は本因坊、五丁町には御所桜と手まりうたにもある呉服後藤だ。ただの呉服屋じゃねえ。江戸大奥お出入り、お手当米二百石、後藤縫之介と、名字帯刀までお許しの呉服師だ。位が違います、お仕立ても違いますと、世間へ自慢にあそこで縫った品には、このとおり紅糸をふた筋縫い込んでおくのが店代々のしきたりだよ。このひとそろいの着手も、おそらくは城中お出入り、大奥仕えに縁のある者にちげえねえ。早く呼んできな」
「ちくしょうめ。さあ、事が大きくなったぞ。いつまでたっても、だんなの知恵は無尽蔵だね。