Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

こどものかなしみ

号外・少年の悲哀 他六篇

国木田 独歩

Lisez 号外・少年の悲哀 他六篇 (こどものかなしみ) de 国木田 独歩 (くにきだどっぽ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 28 584 caractères · 59 écrans

Aozora Bunko

」

と石井翁は消えゆく煙の末に浮かび出た洋服姿の年若い紳士を見て思った。芝生を隔てて二十間ばかり先だから判然しない。判然しないが似ている。背格好から歩きつきまで確かに武だと思ったが、彼は足早に過ぎ去って木陰に隠れてしまった。

この姿のおかげで老人は空々寂々の境にいつまでもいるわけにゆかなくなった。

甥の山上武は二三日前、石井翁を訪うて、口をきわめてその無為主義を攻撃したのである。武を石井老人はいつも徳と呼ぶ。それは武の幼名を徳助と言ってから、十二三のころ、徳の父が当世流に武と改名さしたのだ。

徳の姿を見ると二三日前の徳の言葉を老人は思い出した。

徳の説く所もまんざら無理ではない。道理はあるが、あの徳の言い草が本気でない。真実彼奴はそう信じて言うわけじゃない。あれは当世流の理屈で、だれも言うたと、言わば口前だ。徳の本心はやっぱりわしを引っぱり出して五円でも十円でもかせがそうとするのだ、その証拠には、せんだってごろまでは遊んで暮らすのはむだだ、足腰の達者なうちは取れる金なら取るようにするが得だ、叔父さんが出る気さえあればきっと周旋する、どうせ隠居仕事のつもりだから十円だって決して恥ずるに足らんと言ったくせに、今度はどうだ。