Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
ななしゆびものがたり
名なし指物語
Lisez 名なし指物語 (ななしゆびものがたり) de Niimi Nankichi (新美 南吉) en japonais avec furigana. JLPT N4. Touchez un mot pour le sens.
N4 · débutant · kanji et kana modernes · 10 312 caractères · 21 écrans
一つの風車の下を通りかかると、風車のかげから、ひとりの男があらわれました。
「もしもし。」
と、その男は、マタンによびかけました。
「旅のお方のようだけど、ゆくさきはどこかね。」
マタンは、顔のつるりとしたその男を、なんて、いやな感じのやつだろうと思いましたが、正直に、これから帰っていこうとしている、じぶんの村の名をつげました。
「え、そうかね。」
と、男はさも、うれしいことを聞いたというようすでいいました。
「そいつは、さいわいだ。じつはわたしも、その村へ帰っていくところですよ。旅は道づれとかいいます。では、ごいっしょにお願いしましょう。」
「あなたは、どこの人ですか。」
「わたしは、その村生まれですよ。」
「え?」
マタンは、もういっぺん、その男を見なおしました。けれども、ちっとも、見おぼえのない男でした。するとその男は、マタンの心にわいたうたがいを、ちゃんと知ってるというように、
「生まれは生まれだが、なにしろ、三十年もまえに、あの村をとび出したっきりだから、村のことは、あんまり知りませんね。わたしの知らない人も、たくさんできたことでしょう。」
と、ぺらぺらいうのでした。