Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
めいじんじごく
名人地獄
国枝 史郎
Lisez 名人地獄 (めいじんじごく) de 国枝 史郎 (くにえだしろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 149 286 caractères · 301 écrans
「では、いよいよ人違いだな!」
「うん、そうだ、気の毒ながら」
「それだのに貴様は俺の話しを、黙ってしまいまで聞いてしまったな!」
「むやみとお前が話すからよ。俺は幾度もとめた筈だ」
「ふうむ、なるほど」と呻くようにいうと、九郎右衛門は眼を据えた。短銃を持った右の手がソロリソロリと上へ上がった。
「では、貴様は、生かしては帰せぬ!」
「そうか」と銀之丞は冷淡に「よかろう、一発ドンとやれ」
ピッタリ短銃の筒口が、銀之丞の胸へ向けられた。絶息しそうな沈黙が、分を刻み秒を刻んだ。
助太刀をしてくださるまいか
と、ピストルがソロソロと、下へ下へと下ろされた。
「そんな筈はない。能役者ではあるまい」
「何故な?」と銀之丞は平然ときいた。
「素晴らしい度胸だ。能役者ではあるまい」
「嘘はいわぬ。能役者だ」
「そうか」
と九郎右衛門は考えながら、
「無論剣道は学んだろうな?」
「うん、いささか、千葉道場でな」
「ははあ、千葉家で、それで解った」
九郎右衛門は眼をとじた。どうやら考えに耽るらしい。と、パッと眼を開けると、にわかに言葉を慇懃にしたが、
「いかがでござろう今夜のこと、他言ご無用に願いたいが」