Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
うそアつかねえ
嘘アつかねえ
山本 周五郎
Lisez 嘘アつかねえ (うそアつかねえ) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 12 523 caractères · 24 écrans
そこにはつつましい落魄と、諦めの溜息が感じられた。絶望への郷愁といったふうなものが、生きることの虚しさ、生活の苦しさ、この世にあるものすべてのはかなさ。病気、死、悲嘆、そんな想いが胸にあふれてきて、酔うようなあまいやるせない気分になるのであった。
初めて「やなぎ屋」へいったのは二年まえの冬のことだろう。酒も肴も安いだけがとりえで、決して美味くはない。ぶあいそな、うす汚れた爺さんのようすも、ふだんなら眉をしかめるところだったが、そのときは新吉原の茶屋で友達と飲んで、そこで口論になって、ひどくやけな孤独な気持でとびだした。このまま旅へでもとびだすか、いっそ身投げでもするかといったような気持だった。……そんなときだったので、葭簾で囲った屋台店も、不味い酒や肴も、よぼよぼした爺さんのようすも気にならなかった。寧ろ遠い親類の家へでもいったような感じで、――なにか泣き言も云ったらしい――、空の白むじぶんまで乱暴に飲み続けた。
それからときどき飲みにでかけた。いつも客はあまりいないし、爺さんは無口で、こっちが話しかけない限りいつまででも黙っている。手酌で勝手に酔うことができるし、誰に気兼ねもなく邪魔もされず、いたければ朝までいられるし、自由にもの思いに耽ることもできた。