Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
よんじゅうはちにんめ
四十八人目
森田 草平
Lisez 四十八人目 (よんじゅうはちにんめ) de 森田 草平 (もりたそうへい) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 56 183 caractères · 112 écrans
「俺? 俺は……俺はそうだ、太夫のありがたいお言葉を考えていたのだ」
「そうか」と、勘平もうなずいた。「昼行灯の何のと悪く言うものの、やっぱり太夫は偉いところがあるね。時には何となく生温いように思って、俺なぞずいぶん喰ってかかったものだが、別に怒ったような顔もされない。いくらこちらがいきりたっていても、一言あの仁から優しい言葉を懸けられると、すぐにまたころりとまいって、やっぱりこの人の下に死にたいと思うからね。人柄というか、何というか、あれが持って生れた人徳だろうな」
「うむ、だがしかし、ああいうお言葉を頂戴するにつけて、俺は貴公にすまないような気がする。これも貴公が手柄を俺に譲ってくれたおかげだからな」
「なに、そんなことはお互いだ」と、勘平は快活に笑った。「それに手柄を譲るも譲らないも、俺にはあの邸へはいれなかったんだからな。貴公の働きは貴公の働きだよ」
「いや、そうでない」と、小平太はあくまでまじめであった。「俺は貴公のおかげで救われた。この恩は忘れない、死んでも忘れない!」
彼はいきなり勘平の腕を掴んだまま、つづけざまに頭を下げた。その眼には涙が光っていた。