Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
よっかのあやめ
四日のあやめ
山本 周五郎
Lisez 四日のあやめ (よっかのあやめ) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 19 200 caractères · 38 écrans
千世はこの五大家へ嫁して来て一年あまりになるが、まだ実家の江木にいるじぶんからその噂を聞いていた。一方には「そんな事は起こらないだろう」という評もあった。現に実家の兄の江木重三郎もその一人であった。
――噂がこんなに弘まってしまうと、その噂が中和剤になって、そのこと自体は却って起こりにくくなるものだ。
兄はそう云っていた。だが、ついにそれが事実になったのである。良人の五大主税介は隈江流という刀法の達者で、藩の道場「精明館」の師範をしていた。徒士組との決闘になれば、彼は馬廻りの中心となり先鋒となることは必至である。とすれば、双方で何十人という多勢が斬りむすび、その一方の中心となり先鋒になるとすれば、……千世は身ぶるいをした。
「いいえ、それが怖ろしいのではない」と彼女はふるえながら呟いた、「良人が傷ついたり、もしかすると斬り死にをするかもしれないということは怖ろしい、けれどもそれだけではない、もっと大事なこと、もっと恐れなければならないことがほかにある、慥かにあるような気がする、たとえば、……たとえば、――たとえばその衝突が、私闘だということなど」
千世は吃驚したように鏡の蓋をした。