Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
そうせきしとわたし
回想 子規・漱石
高浜 虚子
Lisez 回想 子規・漱石 (そうせきしとわたし) de 高浜 虚子 (たかはまきょし) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 115 187 caractères · 231 écrans
二
二
余は一本の傘を思います。それはどうしたのかはっきり判らぬがとにかく進藤巌君が届けてくれたのだ。進藤巌君というのは中学の同級生であった。たしか、余が子規居士の家を訪問して忘れて帰った傘を巌君が届けてくれたのかと覚えて居る。その頃子規居士は夏休みで帰省していたのである。
それからまたこういう事を覚えて居る。一人の大学の制服をつけた紳士的の態度の人が、洋服の膝を折って坐って居る、その前に子規居士も余も坐って居る、表には中の川が流れている。これは居士の家の光景で、その大学の制服を着ている人は夏目漱石君であった。何でも御馳走には松山鮨があったかと思う。詩箋に句を書いたのが席上に散らかっていたようにも思う。
三津の生簀で居士と碧梧桐君と三人で飯を食うた。その時居士は鉢の水に浮かせてあった興居島の桃のむいたのを摘み出しては食い食いした。その帰りであった。空には月があった。満月では無くて欠けた月であった。縄手の松が黒かった。もうその頃汽車はあったが三人はわざと一里半の夜道を歩いて松山に帰った。それは、
「歩いて帰ろうや。」という居士の動議によったものであった。