Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

こっきょう

国境

黒島 伝治

Lisez 国境 (こっきょう) de 黒島 伝治 (くろしまでんじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 10 336 caractères · 21 écrans

Aozora Bunko

つい、四五日前まで船に乗って渡っていた、その河の上を、二頭立の馬に引かれた馬車が、勢いよくがらがらと車輪を鳴らして走りだした。防寒服を着た支那人が通る。

サヴエート同盟の市街、ブラゴウエシチェンスクと、支那の市街黒河とを距てる「海峡」は、その日から埋められた。黒橇や、荷馬車や、徒歩の労働者が、きゅうに檻から放たれた家畜のように、自由に嬉々として、氷上を辷り、頻ぱんに対岸から対岸へ往き来した。

「今日は! タワーリシチ! 演説を傍聴さしてもらうぞ」

支那人、朝鮮人たち、労働者が、サヴエート同盟の土を踏むことをなつかしがりながら、大きな露西亜式の防寒靴をはいて街の倶楽部へ押しかけて行った。

十一月七日、一月二十一日には、労働者たちは、河を渡ってやって行く。三月八日には女たちがやって行く。

「僕、日本人、行ってもいいですか?」

「よろしい」

その日本人は、二十歳を過ぎたばかりだった。モスクワへ行きたい希望を抑えることができなかった。黒河に住んで一年になる。いつか、ブラゴウエシチェンスクにも、顔見知りが多くなっていた。

黒竜江にはところどころ結氷を破って、底から上ってくる河水を溜め、荷馬車を引く、咽頭が乾いた馬に水をのませるのを商売とする支那人が現れた。