Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

とさのくにばしら

土佐の国柱

山本 周五郎

Lisez 土佐の国柱 (とさのくにばしら) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 17 375 caractères · 35 écrans

Aozora Bunko

一豊は……果報めでたき生れつきだと思う」

斧兵衛は声をのんで平伏した。一豊は暫く息をついていたが、

「わしはするだけの事をした」

と静かに続ける。「もういつ死んでも惜しくはない。唯ひとつ……心残りなのは、わしが不徳であったばかりに、生前、この国の民心を統一することが出来なかったことだ」

「…………」

「これだけが往生の障碍だぞ」

斧兵衛の肩の震えるのが見えた。

一豊が土佐に封ぜられたのは、慶長五年であった。その以前は、長曽我部氏が領主で、元親、盛親と二代続いた名君であったから、領民たちは神の如く崇拝し、また慈父に対する如く馴着いていた。……だから、一豊が入国しても、彼等は敢えて恭順を表さなかった許りでなく、却って反感をさえ懐いた結果、或は一豊の行列に向って罵詈を飛ばし、石を投ずる者さえ出て来る有様であった。

併し、一豊は忿激する家臣を戒めて、

「猥りに罰してはならぬ。体を斬ることは出来ても心中の逆意までは斬れない。我に向って石を投げるのは、前の領主を追慕する心からで、これを善導し撫育すれば、やがては我のためにも、不惜身命の民となるであろう。……刑罰を厳にしただけでは、決して国は治まるものではないぞ」