Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

じごくのししゃ

地獄の使者

海野 十三

Lisez 地獄の使者 (じごくのししゃ) de 海野 十三 (うんのじゅうざ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 75 419 caractères · 152 écrans

Aozora Bunko

「どうです、お末さん、この缶は……」と帆村は極力冷静を維持しようと努めながら呼びかけた。

「実物を見ると、なるほどこれなら知っていると、気がついたでしょう。どうです、お末さん」

お末は返事をしなかった。

「お末さん。あなたはいつこの缶詰を手に持ったのですか。どこで持ったのですか」

「……存じません。全然あたくしには覚えがないんですの」

「だってそれじゃあ君、まさかあなたの幽霊が指紋をつけやしまいし、説明がつかないじゃないですか。あなたがこの缶を手に持ったことは明々白々なんだ」

「あとでよく考えてみますけれど、全くあたしには合点がいかないんです」

お末の取調べはその位にして、一時下らせるより外なかった。

帆村は係官の前へ出て、自分の困惑を正直にぶちまけた。

「お末さんが、なぜあんなに頑強に『全然覚えがない』といい張っているのか、訳が分りませんね。それが解けると、この事件は解決の方向へ数歩前進すると思うんですがね」

「今まで気がつかなかったが、あのお手伝いはなかなか変り者だね」と長谷戸検事が本格的に口を開いた。

「帆村君のいう彼女の頑張ぶりを解く一つの手段として、あの女の住居を家宅捜索してみたらいいと思う。